2050年、地球環境の悪化は深刻な局面を迎えていた。

温暖化による異常気象は、食物被害や自然災害をはじめ、陸海空路を度々遮断し、近代文明社会をあざ笑うかのように、世界経済にも大きな打撃を与えていた。
世界が閉塞感に覆われる中、光明となる、人々の期待を背負ったプロジェクトが、長い年月を経て実用化される日を迎えた。
日米間で30年前にスタートした海底横断鉄道事業で、ロサンゼルスと東京間15200kmを横断する海底超特急はマリン・エクスプレスと名付けられ、その全貌を衆目の前に現わしたのだ。
マリン・エクスプレス 太平洋の膨大な距離を海底深く繋いだパイプラインは外圧に強く、内部は常に標準大気圧に保たれ、超伝導リニア技術を駆使した車両は最高時速1000kmを記録し、安全かつ迅速に人やモノを移動させる。

しかし、人類にとって未開の地である海底へ踏み出した一歩は、新しい未来を切り拓く可能性をもつ反面、全ての生命の母である海を汚染し、生態系を破壊するといった、さらなる地球環境の悪化を招く危険性も孕んでいる。大国の論理で強引に推し進められた先には、更なる利益競争を生み、新しい紛争の火種にもなりかねない。

こうした期待と不安をない交ぜにした世間の注目を一身に受け、マリン・エクスプレスの運行準備が進む中、マリン・エクスプレス計画のトップである米国建設財団シャイロック理事長は、己の身の危険を感じ、日本の私立探偵伴俊作に身辺警護と犯人捜しを依頼した。
連絡を受け急ぎ渡米した伴俊作だったが、シャイロック理事長は既に殺害されており、組織的犯罪の影を感じ、その犯行を解明すべくマリン・エクスプレスに乗り込んでいく。

マリン・エクスプレス計画に隠された陰謀とは?そして犯人は?その謎を私立探偵伴俊作は解き明かせるのか!!

イントロダクション

原作アニメ同様、手塚作品でお馴染みのキャラクターたちが役どころを変え登場!!

前半、マリン・エクスプレスを巡った犯罪を解くミステリー仕立てで物語は進みます。
中盤、マリン・エクスプレスがジャック(乗っ取り)され、その犯人との攻防をスペクタクルかつサスペンスに描きます。
そして後半はガラリと趣向を変えSFファンタジーに展開していきます。

手塚治虫がテレビアニメスペシャル用に描き起したオリジナルストーリーを基に、描ききれなかった内容を加え、大胆な解釈から新しいエピソードを描き足したのがこのマンガ:「MARINE EXPRESS」(海底超特急マリン・エクスプレス)です。

オールスターキャストがストーリーに華を添えます。原作アニメには登場していないキャラクターや、原作とは違った役を演じるキャラクターたちが物語にアクセントを加え、そこから新しい展開が生まれ、物語は予期せぬ方向に転がっていきます。
原作アニメの感動的なエンディングは、今でもファンの心に焼き付いていますが、この作品のエンディングは原作を踏襲するのか……結果は最後を読んでのお楽しみに。